プリミティヴクール

アイランドストリーム代表 カヤックトラベラー ネイチャー作家 平田つよしのブログ

カヤック誌入荷

 カヤックマニア向け専門誌「Kayak」入荷、今号ではぼくもこの冬に行ったミクロネシア旅の話「大洋の見えない島々」を寄稿しました。

 ポリネシア、メラネシアと比べて、地味で印象薄く文化的特徴が掴みづらいミクロネシア。だけど実際に旅してみて、実はミクロネシアこそが太平洋の海洋文化の精神性が凝縮された場所なのかもしれないと思い至ったのですが、そんなことについて書いています。

 また巻頭で旅ねしあ3人組のインドネシア1000キロ「最後の生物境界線、ウェーバー線を超えて」という記事が掲載されていますが、凄く臨場感ある力作で、自分の記事はもとより、ぜひこの記事を読んでもらいたいなって思います。

 なおこの記事を書いた旅ねしあのキビー君とぼくはちょうど先日4月18日にコラボでスライド&トークショーを行ったところで、お互い話しをした内容をよりディープにしたのが今号という感じですね。

 税込880円。うち(アイランドストリーム)店頭でも買えますし、プラス送料200円で配送しますのでご購入されたい方はご連絡ください

新刊「海とプラネット感覚」発売

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自著「海とプラネット感覚 Ocean in Mind Vol.1」が完成しました。

長年、国内外の海を旅してきたカヤック航海者として、海で研ぎ澄ませた内的感覚を、言葉に圧縮した詩集です。

AIが情報を処理し最適解を生み出す時代、人間が本当に人間であることの根拠はどこにあるのか? そんな議論をよく耳にする昨今ですが、その問いに対する一つの回答。それは、
 「世界と共鳴し、生命として地球と響き合う力」

海経験を通して得た、そんな確信から書かれた作品です。読みやすさを重視し、カヤックに興味あるなしに関わらず、どなたにも深く味わっていただける作品に仕上がっているかと思います。

出版社 : still tide books
サイズ : B6、 176ページ
定価  ;税込1980円(配送料無料)

 内容詳細、ご購入は下記ページにて。
 https://square.link/u/96M9y9vJ

 さて、何で詩なのかというと、海を突き詰めていくと詩的感覚を避けて通れず、ならば詩そのものを書いてみようという試み。それから古今東西、海の民は言葉を持たなかった。だけど現代ほど言葉で海の世界観を伝えるのに有利な時代はない。だから、恵まれた現代の海の民として、海の言葉を編んで作品を作るのは一つの責務のような気がするということ。

 それからもう一つ、詩はあらゆる文芸の中で最もアート寄りなのよ。日本の文学界とか出版業界とかにはまるで興味なく、それよりハワイ島のダンサーとか、マオリのジェイドジュエリーデザイナーとか、マルケサス島の彫刻家とか、台湾アミ族のカービング芸術家とか、ミクロネシアの原始航海術を伝承しようとする若者とか、ニューカレドニアのラッパーとか、トンガの詩人とか、ハイダ族の画家とか、そういう太平洋諸国で頑張ってる連中の、同志みたいな存在でありたいと思うわけ。
 ヤポネシアのカヤッカーとして。
 詩なら翻訳も割とやりやすいしね。

 ということでよろしくお願いします。

中古艇情報

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中古カヤック販売情報(お客様からの委託品です)

 

上の写真4枚は、ウォーターフィールドカヤックス、不知火2。ツーリング艇の定番としてデイツーリングから1週間以上の遠征にまで、初心者からベテランまで幅広い層に愛用されるベストセラー艇。

⚫︎販売価格 35万円(定価42万3500円)

ボトムに目立たないかすり傷が少しあるだけの極上品。

 

下の写真4枚は、ロックンロールカヤックスのデスペラード。グラスファイバー製のフィッシングカヤックで、速いスピードと取り回しの良さは実際のフィールドでその真価を実感することでしょう。

⚫︎販売価格 30万円(定価38万3900円)

軽い擦り傷が少しある程度の極上品。エクストラキールガード装置。ポリのフィッシングカヤックと比べて大幅に軽量で、カートップの労力も軽減。

 

いずれもお問い合わせはアイランドストリームまで

sunnyrain@nifty.com

大西洋も

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不思議なんだけど、毎回太平洋の島々をカヤックトリップして帰ってくるとなぜか無性にカリブ海の音楽を聴きたくなる。それもキューバのソンとかジャマイカのロックステディとかトリニダートのカリプソなど、めちゃ古いやつ。ないしはそれらが全部混ざりあったようなニューオリンズの音楽。

カリブ系の音楽はとくに海の香りがするし、いろんな世界の音楽要素が混ざりあってるのも、海文化というか港町文化というか船文化がもたらしたものであるってところに惹かれるのか? 何よりナショナリズムがうるさい今の時代の耳に心地よい。よくよく考えると、現代の飛行機時代の前は船の時代で、だいたいその頃に音楽スタイルが形成されている。大西洋を介してアフリカ、ヨーロッパの文化的要素をもたらされ、それらがミックスされたのがカリブ海の島々であり、港々だったってわけ。実際の現場では、港の酒場とか娼館とかで夜な夜な演奏が展開される中で音楽が形成されていったってことを考えると興味深い。

カヌー文化で太平洋を探っていくなら、それと並行して音楽文化で大西洋を探っていくのもいいかも、と無意識に考えているのかもしれない。どうせ海をやるならそっちも行っとけと。大西洋~カリブ海・・・、さしあたってニューオリンズ、ジャマイカ、キューバ、トリニダート、ブラジル、セネガル、カーボヴェルテあたりか。まあこの切り口ならば実際に行く行かないは別にして、ただ音楽を掘っていくだけでも結構深められそうだし。

優しい人々

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ミクロネシア(ヤップ&チューク諸島)トリップから無事帰国。エアチケットと荷物オーバーサイズ料金が結構高かったが、やはり行ってよかった。海旅はインスピレーションの泉、いろんな発見があった。

 しかしチューク諸島の最後は大変だった。現地の人たちのホスピタリティが凄く、巨大な弁当二個に、氷をたっぷり入れた強烈に甘い紫色のジュースに、ミルクと砂糖をガンガン入れたコーヒー、お菓子、そしてめちゃ辛いラーメンとキムチを出され、食え食え飲め飲め大会。それが彼らの最大のもてなしであり、そこにすごく優しさと愛情を感じるので、断るわけにもいかん。案の定翌日ゲリッピーになり、最後の海峡横断ではカヤック内で漏らしそうになった。帰りの飛行機でも着陸態勢に入ってからゴロゴロきてやばかった。

 ヤップ島でもチューク諸島でも、いい意味で現代グローバル資本主義的合理主義に心まで奪われていない、温かい人間味のある人が多かった。そりゃ人間だから色々矛盾はあるけど、「人間味」ってものはいいもんだなと改めて思った。

チューク諸島トリップ完了

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ミクロネシア、チューク諸島のカヤックトリップ完了。ラグーンだが世界最大級のスケールで風波が立ちやすく、まるで紀伊水道の真ん中あたりを行き来してるような感があった。

無数に点在する島々には意外と人が多く住んでいて、だけど外国人などまずくることはないので、だいぶ色んな人から奇異の目でみられまくった。しかしなんかよくわからん奴やけど害はなさそうだってことで、どこでも親切に温かく迎え入れてくれた。

外からは人が来ないけど、仕事を求めてグアム、ハワイ、アメリカなどに一旦出て行き、帰ってきたという人も多く、クローズドな感じはしなかった。農業研修などで日本に数年いたこともあるという人にも出会った。どちらかというと若者より50代
以上の人に含蓄深い話好きな人が多く、2時間でも3時間でも話しに付き合うと喜ばれた。ネット環境が悪く、テレビもみないので、潮風を浴び甘々のコーヒーとか飲みながらの会話が最大の娯楽なのだ。こっちは土地の話とか貴重な情報が得られるので、ありがたかった。

とある小さい島に上陸し出会った村長さんとの会話も意義深かった(村長はどこでもめちゃ尊敬されてるので、島の滞在許可を得るには村長に挨拶しリスペクトの念を示すのがベスト)。その人は去年の大阪万博のミクロネシアのブーススタッフとして来日していたらしく、日本滞在時の話とかもしつつ、ミクロネシアのスターナビゲーションの話などきかせてくれた。1986年にヤップ島から小笠原への航海に使われたカヌーが園田女子大に置いてあるとか、1975年のサタワル島から沖縄に航海したチェチェメニ号の話しとか、文化的な事柄について詳しい人だった。

ぼくがやや違和感を抱いていたこともそれとなく聞いてみた。というのもチューク諸島では、カヤックのみならずアウトリガーカヌー、サップ、ウインド、カイトボーディングなどで遊んでいる人をただ1人すら見なかったということ(島を行き来するためのエンジンボートは車がわりに皆使うが)。ま、理由は分かる。物流の問題とか生活の関係とかいろいろ。しかし、もったいない。カヌー文化の伝統もありつつ、フィールドにも恵まれているわけだから。と言っても部外者がいきなり来てなんだかんだ言うのもお門違いもはなはだしいので、ハワイやタヒチでは普通の人が皆アウトリガーカヌーやらを嗜んでるって遠回しな感じでいうと、彼はハワイにも15年ほど住んでたこともあるらしく、「確かにそうだ」と言った。実はそのことは考えていると。

ローカルの歌や踊りも同じで、世代間の伝承が切れると全てが消える。だから文化のリバイバルが大丈夫だと。そんな中、実は島で子供用のカヌーを作ってレースごっこをしたり、島の裏に置いている昔のカヌーを手直しして島から島へ漕ぐことを画策している。そんな時にちょうどあなたが来て色々話せてよかった、って言ってくれた。日本に帰ったらあなたの書いた本を送って下さい、それを写メで撮ってaiに翻訳させてぜひ読みたいと言ってくれ、ありがたかった。

すごい人格者の趣き漂う人で、ローカルのこういう心ある人が動くことにより、より良い方向に変わって行くんだろなと思った。そしてぼくの方は、このたび立ち上げた自主レーベル「still tide books」にて、これから英語の軽めのフォトエッセイとか詩集を刊行してもいいかもなと思った。今後旅先で出会う人に名刺がわりに手渡したりしたならば、日本の印刷は優れているのできっと喜ばれるだろうなと。

不思議な集落

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ミクロネシア、チューク諸島カヤックトリップ。

島の多い海域。とある島に上陸すると、3姉妹のみが住む不思議な美しい集落だった。とても親切で、慈愛に満ちた人たちだった。弟にでもなった気分だった。

普通に生きていたら、まず100%出会うことのない人たちとの交流。たまたま風まかせ、波の都合で立ち寄ったがゆえに生じる、唐突の偶然。それが身一つ、丸腰カヤック旅の真骨頂でもある。

いわばカヤック旅人にとって、世界中の見知らぬ他者は、明日友達になる可能性を有した存在。それゆえ、何より戦争を嫌う。

チューク諸島

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ヤップ島が終わり次にチューク島へ。同じミクロネシア連邦.

まあ我ながらよくやるなと思うが、人生に「また今度」はほぼほぼないわけだし、身体の動くうちに行くべきところは行っとかないと。

ヤポネシア、ポリネシア、メラネシアときて、環太平洋海洋文化あるいは自然文化の未来を探る旅も、今回のミクロネシアカヤックトリップで一つの区切り。

別に冒険でも探検でも漂泊でももちろん観光でもなく、まあ言うなれば感覚人類学とか詩的人類学みたいな感じでやっている。そんなこと言えば学問で人類学やってる人に怒られるかもしれんけど、その土地に特有の風、波、潮にじかに身をさらし、プラネットアースの鼓動とシンクロし、そこから何が立ち上がってくるかに注視する旅路。それは帰って作品化してリリースして初めて成就する。太平洋文化とはカヌーによる海との対話、自然との対話の中身に本質があるとするならば、日本において、プロとして携わるカヤッカーこそそういう探究が可能だろう、ということで、じゃあお前がやれ、と誰かに言われているような気がして仕方がないので、やっている。

日本ジリ貧論とかネトウヨとか政治のあれこれとか色々ネガティブ言説がうるさいこの時代、個人の小さいスケールでもコツコツと、DJクールハークやグランドマスターフラッシュのような精神で、新しい文化的な何かを作っていかなきゃと思うしね。

それにしてもミクロネシアを周航するアメリカ系のユナイテッド航空は全く融通が効かず、毎回フォールディングカヤックをオーバーサイズとして一路線片道ごとに200ドルも徴収してくる。これがフランス系のエアタヒチとかエアカラン(ニューカレドニア)とかニュージーランドエアなら、「カヤックですか、それはそれは、素晴らしい価値あるスポーツ用品ですので無料にさせていただきます」となるのに、えらい違いだ。
アメリカ系は2001年米同時多発テロ以降、融通きかなくなっているようだ。文化を重んじるようなニュアンスは全くない。そしてそこにどうしてもドナルドトランプの顔を重ね合わせてしまうのだった。

ヤップ島一周完了

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 先月のヤップ島カヤックトリップ。

 ヤップ島一周完了。
 途中で出会ったローカルのご夫婦が祝ってくれ、ローカルフードのささやかなパーティーでもてなしてくれた。泣けた。
 ヤップ島の人たち、会う人全員優しかった。

 最初、ちょっと緊張感があった。というのも歴史伝統を重んじるヤップ島では土地の所有権が厳格で、村や個人の土地に無断で入ると不法侵入とみなされ追い出されることもあると聞かされていたから。たとえば疲れまくり濡れネズミになって日暮れに上陸しテント張らせてもらおうとして、出て行けとか言われたら困っちゃうなと。

 実際は、上陸時に人を見つけて事情を話すと、全員が温かく迎えてくれた。そればかりか、メシはあるか? 水は足りてるか? 喉乾いてないか? ここは雨降るとずぶ濡れになるからここでテント張れ、などと本当に親切にしてくれた。黙ってスプライトとか缶詰とか色々買ってきてくれた人もいて、お金を払おうとすると、「いらんいらん、当然の助け合いだよ」と言って受け取らない。 
 そのとき、深いな、と思った。

 だいたい、こっちは別に誰に頼まれた訳じゃなく、ただ好きでやっているだけだ。ある種、非常な贅沢者である。普通なら自己責任で勝手にしとけや、で終わってもおかしくないところで「助け合い」という言葉が軽やかに出てくることに、新鮮さを覚えた。このさりげなさに包まれた優しさの微妙なタッチ、ニュアンスもまた、伝統というか生活文化の歴史の中から生まれてきたものなのかもと。さらにそれを遡れば、海の文化からきているのかなと。

 どんな人にも親切に、
 ぼくもこうありたいと思った。